
「フロアコーティングとワックス、結局どっちがいいの?」というご相談を、施工のご相談時によくいただきます。
どちらも「フローリングを保護する」という目的は同じですが、仕組みや効果の持続期間、費用感は大きく異なります。今回はフロアコーティングとワックスの違いを、目的・種類・耐久性・光沢感・安全性・お手入れ・費用感の観点から比較してご紹介します。
フロアコーティングとワックスの目的の違い
フロアコーティングは、塗装工事や内装工事の一環として、フローリングの表面に特殊な樹脂を塗布し、傷や汚れからフローリングそのものを守るために行うものです。
一方のワックスは、日常のお掃除の延長として塗布するもので、独特の上品な光沢感を楽しめる反面、フローリングを保護する力はコーティングほど強くありません。
フロアコーティングの種類とそれぞれの特徴
フロアコーティングと一口に言っても、実は複数の種類があります。弊社では主に、耐久性と光沢感に優れた「プレミアムガラスコーティング」、紫外線で瞬時に硬化させることで高い強度を実現した「プレミアムUVコーティング」、爪による傷や粗相汚れに配慮した「プレミアムペットコーティング」の3種類をご用意しています。ワックスのように「塗るだけ」で終わるのではなく、床の状態や暮らし方に合わせてコーティングの種類を選べることも、フロアコーティングならではの特徴です。ペットと暮らすご家庭やお子様がいるご家庭など、ライフスタイルに合わせた選び方ができる点は、画一的な仕上がりになりがちなワックスとの大きな違いといえます。
ワックスのメリット・デメリット
ワックスの一番のメリットは、なんといっても手軽さです。ホームセンターなどで市販のワックスを購入すれば、ご自身での塗布も可能で、初期費用を大きく抑えられます。また、独特のつややかな光沢感を好まれる方も多く、定期的に手をかけてお手入れすること自体を楽しまれている方もいらっしゃいます。
一方でデメリットとして、耐久性の低さが挙げられます。歩行の多い場所から徐々にワックスがすり減り、数か月から1年程度で艶が失われてくるため、美観を保つには定期的な塗り直しが欠かせません。また、ワックスの層に汚れやほこりが入り込みやすく、床が黒ずんで見えてしまう原因になることもあります。剥離作業を怠ると、何層にも重なったワックスがくすんで見た目が悪くなってしまうケースも少なくありません。
耐久性の違い
フロアコーティングは一度施工すると最長30年以上の耐久性があるとされ、長期間お手入れ不要で美観を保てるのに対し、ワックスは数か月から1年程度で剥がれてきてしまいます。
こまめに塗り直す手間や費用を考えると、長期的にはフロアコーティングの方が経済的といえるケースが多くなります。
一般的に、ワックスは歩行頻度の高いリビングや廊下では数か月、あまり歩かない部屋でも1年程度で効果が薄れてくるといわれています。塗り直しのたびに、家具の移動や既存ワックスの剥離作業が必要になるため、想像以上に手間がかかる作業です。フロアコーティングであれば、こうした塗り直しの手間や、作業のたびに生じる家具を動かせない期間も発生しないため、長期間安心して暮らし続けることができます。
光沢感の違い
ワックスには独特の上品な光沢感があり、その質感を好まれる方もいらっしゃいます。フロアコーティングは種類によって光沢の強さが異なり、光沢を抑えたマットタイプの商品もございますので、お好みに合わせて選んでいただけます。
フロアコーティングには、ワックスのようなつややかな光沢を再現するグロスタイプのほか、自然な質感を活かしたマットタイプ、ペット対応コーティングのように機能性を重視した仕上げなど、複数のバリエーションがあります。ワックスのようにご自身で光沢感を選ぶ手軽さはありませんが、施工前の打ち合わせで好みの質感を業者に伝えることで、理想の仕上がりに近づけることができます。
お手入れ・メンテナンスの違い
ワックスを塗布した床は、日常のお掃除にも注意が必要です。水拭きを頻繁に行うとワックスの効果が早く落ちてしまうため、基本的には乾拭きが推奨されます。一方フロアコーティングは、樹脂の被膜がフローリング表面をしっかりと保護しているため、水拭きや中性洗剤を使ったお掃除も可能です。小さなお子様の食べこぼしやペットの粗相があっても、さっと拭き取るだけできれいな状態を保てる点は、忙しいご家庭にとって大きなメリットといえるでしょう。
安全性(滑りやすさ)の違い
ワックスは塗布直後、床が滑りやすくなる場合があります。一方でフロアコーティングは、種類によって防滑性(滑りにくさ)に優れたものがあり、小さなお子様やご高齢の方、ペットが暮らすご家庭の転倒防止にも役立ちます。
特に小さなお子様やご高齢の方がいらっしゃるご家庭では、床の滑りやすさは転倒事故のリスクに直結する重要なポイントです。フロアコーティングの中には防滑性を高めた商品もあり、見た目の光沢感を保ちながら、安全性にも配慮した床づくりが可能です。
費用感の違い
フロアコーティングの施工費用は、施工範囲やコーティングの種類によって異なるため、一概にいくらとは言えません。図面をお送りいただければ、その場で概算のお見積もりも可能です。初期費用はワックスより高くなりますが、長期間お手入れが不要になるため、頻繁な塗り直しが必要なワックスと比べると、トータルコストでは差が縮まる、あるいは逆転することもあります。
どちらを選ぶべきか
短期間だけ美観を保てればよい、こまめなお手入れも苦にならないという方にはワックスが向いています。一方、長期的な耐久性や安全性を重視したい方、頻繁な塗り直しの手間を省きたい方、小さなお子様やペットと暮らしていて安全な住環境を整えたい方には、フロアコーティングがおすすめです。ご自宅の状況やライフスタイルに合わせて、無理のない方法を選んでいただければと思います。
フロアコーティング業者を選ぶ際のポイント
フロアコーティングはワックスと違い、一度施工すると長期間やり直しがきかない工事です。そのため、価格の安さだけで業者を選んでしまうと、下地処理が不十分で早期に剥がれてしまったり、思っていた光沢感と違う仕上がりになってしまったりするおそれがあります。施工実績や写真、保証内容、見積もり時の説明の丁寧さなどを比較し、剥離から下地処理までを含めた技術力のある業者を選ぶことが、後悔しない床づくりの第一歩です。図面があれば概算のお見積もりも可能ですので、複数社を比較しながら検討することをおすすめします。
リフォームや売却時にも影響する床の状態
フローリングの状態は、住まいの印象を大きく左右するポイントのひとつです。将来的に売却や賃貸を検討する可能性がある場合、床に傷や黒ずみが目立っていると内覧時の印象を下げてしまうこともあります。フロアコーティングによって長期間美観を保てれば、いざというときの資産価値を維持しやすくなるという側面もあります。日々の暮らしやすさだけでなく、将来を見据えた選択として検討してみるのもよいでしょう。
ランニングコストで比較するとどうなるか
初期費用だけを見るとワックスの方が安く感じられますが、長期的な視点で比較すると印象が変わります。ワックスは数か月から1年ごとに塗り直しが必要で、材料費に加えて、ご自身で塗る場合は家具の移動や乾燥待ちの時間、業者に依頼する場合はその都度の作業費用がかかります。これを10年、20年という単位で積み重ねると、トータルの費用や手間は決して小さくありません。フロアコーティングは初期費用こそかかるものの、長期間塗り直しが不要なため、年単位で見たときのランニングコストを抑えられるケースが多くなっています。目先の金額だけでなく、住み続ける期間全体で比較して検討していただくことをおすすめします。
まとめ
フロアコーティングとワックスには、それぞれメリット・デメリットがあります。手軽さを重視するならワックス、長期的な耐久性・お手入れの楽さ・安全性を重視するならフロアコーティングがおすすめです。
ご自宅の状況やご予算に合わせて、あなたに合った床の保護方法を選んでみてください。
よくある質問
Q. フロアコーティングとワックスは併用できますか?
A. フロアコーティングを施工した面にワックスを重ねて塗る必要はありません。すでにコーティング自体が保護膜としての役割を果たしているためです。既存のワックスがある場合は、フロアコーティング施工前に剥離作業が必要になります。
Q. ワックスの方が安いので、まずはワックスで様子を見るのはありですか?
A. 短期的にはワックスの方が初期費用を抑えられます。ただし数か月から1年ごとに塗り直しが必要になるため、長い目で見るとフロアコーティングの方が手間もコストも抑えられる場合があります。ご予算やお住まいの状況に応じてご検討ください。
Q. 小さな子供やペットがいる場合、どちらがおすすめですか?
A. 防滑性や耐久性の面から、フロアコーティングをおすすめしています。滑りにくく、粗相や食べこぼしも拭き取りやすいため、小さなお子様やペットがいるご家庭に適しています。
Q. ワックスを剥離せずにフロアコーティングを施工できますか?
A. 既存のワックスが残っていると、コーティング剤がフローリングにしっかり密着せず、仕上がりや耐久性に影響が出るおそれがあります。施工前に必ず剥離作業を行い、床材の状態を整えてからコーティングを行います。
Q. フロアコーティング施工後もワックスをかけたくなったらどうすればいいですか?
A. コーティング面へのワックス塗布は基本的に不要です。コーティングそのものが保護膜の役割を果たしているため、追加でワックスを重ねる必要はありません。
Q. 賃貸物件でもフロアコーティングは検討できますか?
A. 賃貸物件の場合は原状回復の観点から、事前にオーナー様や管理会社の承諾が必要になります。ワックスであれば入居者様のご判断で塗布できる場合もありますが、フロアコーティングを検討される際は、まず契約内容をご確認いただくことをおすすめします。



